2008-01-01から1年間の記事一覧

最後のコトバ

31日。いまこの瞬間に2008年が終わろうとしている。『凡庸さ……』を読了する。今年最後の読了本。このなかに引用されていたM・Fのコトバにココロがときめく。律儀にそのコトバを引用するのは無粋以外のなにものでもないと思い、そっと自分だけでその…

凡庸と14歳

今日から電車のダイヤがかわり、寒さのなか駅で暫し時間をもてあます。研究室で王政復古期演劇論と18世紀演劇論を読んでまとめる。その後、友人にご尽力いただいて入手した蓮實重彦『凡庸さについてお話させていただきます』(中央公論社,1986)を1…

雪が舞う

朝、雪が舞う。クリスマスで弛緩しきった街と身体が、この寒さにふれて緊張感と強度をとりもどす。それなのに、金曜日の今日が土曜日のように思われてしかたがない。胸躍らすような出来事が待ち構えているわけでもないのに、脳ミソだけがすでに週末を夢見て…

Buon Natale!

直接研究室に行くのが嫌になり、スタバに一時間ほど逃げ込む。そこで『フーコー・ドゥルーズ・デリダ』のうち、最初の2人の章を読む。ドゥルーズに興味が向く。その興味の大部分は放置したままにしてあるドゥルーズ本に対する後ろめたさによって構成されて…

波にさらわれて

24日。昨日の某業務関連の会議が10時から行われるも、20分程度で終了する。会議時間は短いが、ここで眼にした驚愕の結果が脳細胞に及ぼした時間は長く、来年度に向けてなんとなく暗鬱とした気分に陥る。本格的な疲れにも襲われ、もともと少ない気力が…

華麗なる忘年会の翌日

22日。Wycherleyの芝居を少々読んだあと、お嬢さんのアロママッサージ体験を拝聴し、シラバスを書き、書類を書き、半分休みで半分仕事してる、みたいな感覚にひたる。それでも太陽は沈んでいくのね。あとは沈黙……。* * *21日。午後からN大で研究会。…

風花

朝、床屋に行って髪を切る。ワシは床屋と遊園地を苦手としているので、ひどく疲れる。まだ短くできる髪が存在しているだけ良い、と言って自らを鼓舞する。その後研究室に行く。なんとなくやる気がでないので、相米慎二監督『風花』をDVDで見る。あまりに…

おしまい

ようやく終わる。気がつけば、ここ数日本を読んでいないし、文字も書いていない。明日から気分を一新して計画の遂行にとりかかることにする。ゆえに今日はこれにて終了。蓮實重彦『物語批判序説』(中央公論社,S60)と石子順造『コミック論−−石子順造著作…

N⇒N⇒D

N大で今年最後の授業。授業回数が足りないとかで、年明けに1回補講をさせられることになる。その後、近所にある別のN大に来年度のシラバス校正原稿を届ける。昨日ポストに入っているのを発見したばかりのこの校正原稿の締め切り日は(同封されていた手紙に…

Is / In

雨のち晴れ。『英○青年』という雑誌が来年3月で休刊になるということを知り驚く。ワシも文章を載せていただいたことがある。そんな無謀な試みに賭けてくださった複数の方にそっと感謝する。あの頃からまるで進歩していないので同時に謝罪もする。先日のシン…

タイトルの零度

16日。晴れ。年内最後の授業のために、森につつまれた大学へ向かう。* * *15日。いつか『○○論』なるものを書いてみたい、と思う。『○○論』などという素っ気無いタイトルは、あらゆる虚飾をそぎ落とされたタイトルの零度と言ってもいいようなものであ…

おめでとう。

13日。朝、友人からお子さんの誕生を告げるメール(写真つき)が入る。生まれたばかりの子どもという存在は、オッサンにはまぶしすぎますね。おめでとう。何事もなくてよかったです。清清しい土曜日、ワシはひとり研究室で授業準備にいそしんでおります。…

サヨナラの近さ

11日。今日も暖かい。「じゃあサヨナラ」と言って別れた女子学生と、5分後に再会する。お互いに苦笑しながらペコリと頭をさげてすれちがう。「サヨナラは別れのことばじゃなくて、再び会うまでの遠い約束……」と、機関銃をもったセーラー服のお嬢さんがそ…

文字、保湿、睡眠

9日。大切なのは保湿に睡眠、とお嬢さんが午前中にレクチャーしてくれる。しばし昨日の文字たちを修正したあと、Mehlman, Revolution and Repetition の第1章"History"を読む。そこにある〈無気味なもの〉をとらえよ。そうそう、ジャック・ラカン『ディス…

それに触れてみたくて……

7日。冬将軍が居座る。休日だから本を読む。ひとことだけです、寒い……。* * *6日。本格的に冬将軍がお出ましになる。『「英国」神話……』を読了する。刊行当時齢60を超えてはいるものの、「英国好き」に対する著者の筆はいまだに青年時のそれをとどめ…

「12」月「4」日。

『大江健三郎論』を読了する。先行研究の引用などというものをいっさい身にまとうことがない文章は、したがって参考文献を挙げ連ねるという制度的な堅苦しさからも解放されている反面、これはこれで大江を専門と自称・僭称するものたちからの攻撃の数を増加…

スタイルとしての疲れ

疲れにも種々あろうが、それを疲れと認識できているあいだは、たとえば「手足のだるさ」だとか、文字どおり「眼の疲れ」といったようないかにも凡庸で即物的な表現を使うことにとりたてて抵抗感を覚えることはないはずであり、疲れが仮住まいをしている身体…

石になりたい。

2日。午前中に時間ができたので運転免許の更新に行く。交通安全のビデオを見ていると女性が2人やってくる。久しぶりに偶然再会をはたした同級生だったようで、彼女たちは、ビデオとワシの存在を完全に忘却して臆面もなく赤裸々な近況報告に興じはじめる。…

おじいちゃん、ニコニコする。

30日。疲労している。年末の新幹線チケットをゲットする。大石俊一『「英国」神話の解体』(第三書館,1994)を古書で買う。ワシはイングランド好き……。* * *29日。研究室でハンドアウトを用意した後、待ち合わせ場所のおしゃれなカフェに向かう…

もうええわ!

授業、テスト、会議、テストの合間に、書く。 できあがったことにしてしまう。 あとは出たとこ勝負。 いつものこと。 後悔……。

書いとけ!

N大で授業。終了後は寄り道もせずに研究室に戻り、書く。途中、お嬢さんに洋ナシのチョコレート(フランス産)をめぐんでもらう。美味なり。言うまでもなく原稿はいまだ完成せず。いまいましいことに、John O'Brien, Harlequin Britain: Pantomime and Enter…

Only Write!

26日。授業+原稿書き+会議2時間、也。とりあえず書く、いや、書いとけ……。* * *25日。呼吸する。Gayatri Chakravorty Spivak, Death of a Discipline (Columbia UP, 2003)に四苦八苦する。残念ながら翻訳を持っていないのだよ。さて、間に合うのか…

無気味な予感

昼過ぎから雨が降り出す。今日の天気予報はいい仕事をしたことになる。仕方がないので週末の発表原稿を書きはじめる。しめて3000文字ほどか……。本当ならばもっとアセッテいいはずなのに、なぜかアセリはない。さりとてヤルキがあるわけでもない。こうい…

最後の亀さん

N大図書館で資料をコピーする。正確な書誌データを把握していなかったため、某誌のバックナンバー約10年分を総ざらいし、疲れる。休日の誰もいない書庫の片隅で汗をかく。その後、ドトールで、Stephen Greenblatt, Shakespearean Negotiations: The Circu…

偉大なるドーナツ

22日。途中の駅からお母さんと女の子2人が乗車してくる。ワシの真向かいのシートに、お母さんを真ん中にして、同じ服装と同じ顔をした女の子たちがちょこんと腰掛ける。双子と思しき女の子たちは、すぐさま、ドーナツの袋を開けてほしいとお母さんにせが…

なにとぞヨロシク

今日も寒く、今日も喉が痛い。N大で『キングコング』論を読む。授業後、ひとりの女子がにじりよってきて、「よろしければ……」と言ってチラシを手渡してくれる。所属劇団の公演があるらしい。こういうのはワシも嫌いではない。「じゃあ、僕も宣伝しとくね」と…

ヤバイ

19日。冬が居座る。会議の席でうたた寝の快楽をむさぼる。風邪、昨日に同じ。ヤバイ×2……。* * *18日。冬がやってくる。県の端っこで見る夜空が美しすぎる。風邪いまだ去らず。ヤバイ……。

潮時を選んで死ぬ

深夜、激烈に咳き込んで朝方まで眠りにつけず。ネバネバしたものが喉のあたりに滞留し、その実存を執拗に主張する。『サルトルの晩年』を読了する。第2章は、義父と実母と哲学者の3者をめぐる微妙な関係と、それが哲学者のフローベール論『家の馬鹿息子』…

ぶきっちょさんからよろしく

15日。これで1週間も風邪の状態がつづく。おかげで遠征の予定をキャンセルする。『サルトルの晩年』第1章「変貌したサルトル」を読む。失明したサルトルが必然的に見出す他者の存在、そして、それを断固として否定しようとするボーボワール。風邪よ、去…

Mr.ドーナツ

N大で授業。昨日のクレームの一件を話すと、みんな大爆笑してくれる。N大はまさしくインテリジェンスの場だ。ついでに、おじいちゃんのために詩の研究書を一冊借り出す。おじいちゃんはまさしくポエティクスの人だ。ベンヤミンを537ページまで読む。寄…