2009-01-01から1年間の記事一覧

Venice Preserv'd

Venice Preserv'dを読了する。Jaffeirは裏切ってしまった友へのせめてもの罪滅ぼしとして、処刑という恥辱にまみれた死から友を救うべく、処刑台上の彼を刺し殺し、すぐさま、自らの身にも刃を差し込む。その妻Belvideraも、死んだ男たちの亡霊を眼にすると…

弐拾世紀少年

4日。ありがたくない仕事の依頼がまたしてもやってくる。覆面男のように、そんなこと言うなんてキミとは絶交だな、とは言えず。Thomas Otway, Venice Preserv'dを第2幕の終わりまで読む。* * *3日。そうだよ、僕だよ、僕がトモダチだよ、と言っていた…

9月スタート

2日。「The scene draws and discovers……」のようなト書きの使用方法を求めて、複数の王政復古悲劇をザーッと眺める。 おかげで眼が死ぬ。おかげで睡魔が生き生きする。* * *1日。久しぶりにオジイチャンと会う。キミハ○○シナイノ?などと、この人の口…

東京は雨降り

31日。台風接近中なので、東京駅でセンビキヤのマンゴー・プリンを買って、早々に新幹線に乗る。新幹線の窓ガラスを打つ雨粒が速度にあおられて不思議なかたちに流れていくのを眼にし、ここには書き記したくないかなり具体的なことをココロに描きながら、…

血の金曜日

早朝から健康診断に赴く。腕に突き刺さった細い針をとおしてワシの身体のなかから赤い液体が小さな容器へスルーッと移動していく。こうして眼にふれる赤い液体が今さっきまでワシの身体のなかにあったこと、そして、この赤い液体と同じものがまだワシの身体…

昼の来訪者2

今日は学生が入れ代わり立ち代り来る日なので、一日中研究室にはりついていなければならないはずなのだが、学生はいっこうに姿を見せず、挙句の果てには、すでに卒業していった元指導生の男子がやってくる。しかも、生死に関する重い話を漏らしはじめる……。…

Standardという魔

26日。Richard IIIを再々読了してしまう。同じ単語を何回調べれば気が済むのかね、と自身にいらだつ。standardは「軍旗」。アホー……。* * *25日。N大の答案を採点して、成績を提出しに行く。色々なファクターを集積して成績を処理しなければならない…

そろそろ書け!

なんとなく秋がやってきたように感じられる。もの悲しさとは、過ぎ去ったものに対して抱く愁緒ではなく、おのれ自身とともに移ろい行く空気がかりそめにひきおこす時の震えにわれ知らず共鳴してしまうことなのだ。『ラカン』を170ページぐらいまで読みす…

ナシ夫の週末

23日。月末発表の原稿を書こうと思ったが、やめる。なぜなら、ヤル気ナシ夫だから。その罪悪感を隠蔽すべく、Richard IIIを再読しはじめる。ririri……。* * *22日。マンゴー・ゼリーを買って、電車に乗り、気まずいヒトを眼のまえに1時間ほどお話しを…

勤勉な死

21日。指定休日なので、研究室で勉強する。もう金曜日なのですね。もう月末が近いのですね。今朝殺しておいた脳ミソが、死んだままで生き返ってこない。『葉隠』はこういうときどうしたら良いのかも教えてくれるのだろうか? 不勉強ゆえに知らず。死なせて…

昼の来訪者

元指導学生の女子がやってくる。一時に比べて随分元気がでてきたので安心する。くるくる回る寿司をご馳走し、別れぎわに「またへこんだら来なよ、女子」と声をかける。女子は笑顔とともに改札の向こうに消えて行く。元指導教員とは不思議な役回りを演じる存…

睡魔様

8月前半は天上界に近づいたり、海の向こうへ行ったりして多少遊行がすぎたようにも感じられるため、こうして日常版夏休み(?)に復帰してじっと一所にいると、それまでの放蕩ぶりに対していささか反省の念のようなものがわきおこってきてしまい、その結果…

劇作家デビュー

16日。William Mountfort, The Injur'd Loversを読了する。愛しあう一組の男女をめぐって、Fatherの野心、Kingの欲望、Princessの恋、Sonの愛がからみあい、最後には主要登場人物のすべてが死にいたるという悲劇。暗い……。* * *15日。上野俊哉&毛利…

Before / After Seoul

14日。ようやく日常に復帰する。* * *13日。惰眠を貪る。* * *12日。5時起床(正確に言うと、寝ていない)。ガイドの女性と待ち合わせて仁川国際空港へ向かう。早朝なのに灯りをともした店のまえで働く人たちの姿が車中から見える。窓の曇りと…

ほんの少し遠出

8日。研究室で涼む(うそ、勉強する)。* * * 7日。ほんの少し遠出2。普段は食すことのないホテルのバイキング形式朝食にテンションがあがってしまい、鮭、ポテト、焼きそば、玉子焼き、ソーセージなどなどを2往復して摂取する。さすがに朝から「八丁…

夏は居眠りの季節

4日。灼熱の夏がやってくる。ODNB全巻60冊を本棚に並べる。壮観。Sir Anthony Loveの第3幕第3場まで読んだあと、眠りにおちる。夏のケンシュウ(という名の……)で、「冷静」はハワイへ、「情熱」はイギリスに飛ぶそうな。行くところがキャラと逆じゃな…

悲劇の末日

ODNBを44冊目まで運ぶ。John Dryden, Don Sebastianを読了する。第4幕で終っておけば喜劇だったが、第5幕でオッサンが登場してDon SebastianとAlmeydaの結婚に反対しだすあたりから雲行きがあやしくなり、最後はおきまりのincestネタが暴露されて、恋人…

encounter

30日。1階の事務室から3階の研究室まで二往復してODNB22冊分を運ぶ。全部で60冊あるから、明日も二往復以上しなければならないということになる。汗がとびでるわけだ。出典が明記されていないものの、Rajchmanによると、Wittgensteinは"don't think,…

疲れ週間

28日。採点がようやく終了し、曖昧なかたちながらも夏休みが到来する。ロラン・バルト『表徴の帝国』(新潮社,1974)を読了する。* * *27日。採点。もうこれが常態化しつつあるゴルバチョフ書記長不在の労働会議。あんたはほんまに政治を勉強し…

試験をめぐる日々

22日。N大の試験問題をつくって疲労する。性格の悪辣さが反映された問題ができあがる。許せ……。* * *21日。試験をし、採点をし、あきれる。thinkとthankは別物です。そうですよね、スナフキン先生……。* * *20日。祝日だけど試験。午前中から労働…

補講3つ

本日は激暑なり。午前は自分の大学で補講(という名の質問時間+出欠確認ナシ)を1つし、午後はN大で補講(という名の質問時間+出欠確認ナシ)を2つする。午前中に2人出現して出鼻を挫かれるも、めでたしめでたしで日が暮れる。暑かろう……。

ボーダーの男

17日。 朝猛烈な雨に襲われる。 傘をさした事務の女の子が笑顔でワシに手を振ってくれる。 オッサン、微笑むの巻。イタリア人ですから……。* * *16日。石原千秋『漱石と三人の読者』(講談社現代新書,2004)を読了する。漱石の小説が発表された媒…

勝負の行方

レポート200枚をサーッと採点する。J. M. W. Turnerの作品のなかから1つ選んでレポートする課題なのに、John Constableの作品について記述してくるやつがいる。採点するワシが両者の違いを見抜く教養をもっているのかどうか試しているのだと理解し、赤ペ…

The Widow Ranter

眠いながらもAphra Behn, The Widow Ranterを読了する。Behnの死後に上演されたためか、それとも、執筆と上演のあいだに時間差がかなりあるということなのか、お目当ての役者の配役パターンが少し予想とは異なっていた。まあ、これはこれで参考になるか。眠…

青に染めあげて

12日。オジイチャンに手紙を書く。ブルーやわ……。* * *11日。平岡正明が没したことと、くるりが偉大であるということを知る。Still "blue"……。* * *10日。緊急会議の召集がある。と言ってもワシは同時刻に授業をもっているので、天下御免で欠席…

Why Maccaroni?

9日。某所で女子2人が「なぜにマカロニ?」と囁きあっておられるようなので、お答えいたします。 macaroni, macca- 1 マカロニ; 《俗》 マカロニに似た細長いもの《ラジオのアンテナ・チューブなど》. 2 (pl 〜s, 〜es) 《18 世紀の英国で》大陸帰りのハイ…

色色

6日。本日ハ色色ナ雑務デ終了ス。コレ日常ナリ……。* * *5日。昨日は湿度が高くて汗を玉のようにかいてしまい、東の京への不快感が漠然と惹起されてしまったし、今日はそれに加えて帰巣本能までもがなんとなく目覚めてしまったので、早々に新幹線に乗り…

2つのイズム

4つの授業の合間に『私小説』を100ページほど読む。バカとは、空気を読もうとしないままに明け暮れる野放図な自己正当化である。それを眼にしたとき、キョウシは金八イズムの炎を燃やして闘争するか、事勿れイズムの氷に身をふれさせて逃走するしかない……

コトバとモノガタリ

2日。いまさらながら、水村美苗『私小説from left to right』(ちくま文庫,2009)を200ページほど読む。左から右へと流れるセンテンス、日本語と英語の混淆、ときおり混じるイタリックなどの文字の物質性については、とりあえず受け流しておけばよ…

毒をおびた舌たち

30日。今日で6月が終る。ゴルバチョフの「ロウドウ会議逃走宣言」がメールにのってやってくる。舌禍でしょうか……。* * *29日。ケイエイしている人たちとのロウドウに関する会議。なのに、ゴルバチョフが来ない……。政治に詳しいうちのゴルバチョフは…