昼の来訪者2

今日は学生が入れ代わり立ち代り来る日なので、一日中研究室にはりついていなければならないはずなのだが、学生はいっこうに姿を見せず、挙句の果てには、すでに卒業していった元指導生の男子がやってくる。しかも、生死に関する重い話を漏らしはじめる……。本人はこれから郷里にもどり、キョウシ業を営むそうな。がんばれ。

となりの「情熱」部屋は盛況のようで、午後のあいだずっと「情熱」と学生たちが声高に談笑している。したがって、「情熱」の部屋は、いつも以上に金八イズムという過去の遺物が復活し跋扈する魑魅魍魎の空間となりはてている。となりに棲まうワシは、あらゆる意味でそれを迷惑千万だと想い、あちらの「熱」がこちらに伝播してこないように、そっと冷房の風力をひとつあげてみるのだが……You know what I mean: やかましい! 勉強せえ! 

奇跡的に原稿を3分の2ほど書きあげる。金八イズムという苦行に耐えた報いだ、と想う。

神さま、仏さま、ありがとうございまする……。