初秋の風景

1日。某作業をしたあと、必要あってBarthesを読んでいる。

大学院のとき、ある先生が「Henryという名前の登場人物は嫌な奴が多い」というようなことをおっしゃっていたように記憶するが、Northanger Abbeyに出てくるHenryはどうなのかな…。あれ、Henryだったかな。もうこの記憶それ自体があやしい。

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30日。髭剃りでホクロを傷つけたら、その後1時間ほど、そこから微量の血が出つづける。ホラー、ホラー、ホラー。

28日のテストの結果が「情熱氏」から送られてくる。やはりオカシイと思うのだが……言わぬぞ、言わぬぞ。あんた責任とって学生たちを納得させてね。あんたの得意技の「丸投げ返し」しないでね。いや、そもそもワシひとりがココロのなかで「丸投げ」したと思っているだけで、なにかの行為や現象としてワシが「情熱氏」に「丸投げ」したという事実は現在のところないわけだから、「情熱氏」がするのは、「丸投げ返し」ではなく、純粋な「丸投げ」か……。来週からの日々に漠然とした不安を感じる。

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29日。ふたたびASUへ。13時30分開始の3時限目がワシの授業だと思って、11時30分ぐらいに現地に到着する。近くのスタバでボーっとコーヒーを飲む。そして、ある残酷な事実を知る。ワシの授業は15時10分の4時限目であった……。約2時間半ほど、非常勤講師室でメモをとりながらA Yorkshire Tragedyを再読する。おのれの授業が開始されるころには、すでに「帰りたいモード」に突入しているが、なんとか勤労意欲をふりしぼって、授業としての体裁をととのえる。

その後、旧知の女子たちと久しぶりの面会を果たし、そそくさと帰る。みなさんお忙しい様子でなにより……なのか? ちなみに、非常勤講師室では、これまた久しぶりに「ミギワさん先生」のご尊顔を拝見する。相変わらずの、「ミギワさん」ぶりであった。

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28日。1時限目に授業。「情熱氏」の仕切りでテストを学生に受けさせる。どう考えてもオカシイと思うことがあったが、仕切っておられる方と話し合いをする元気もヤル気もなかったので放置する。ほんの些細な事柄でも、「情熱氏」に納得していただくためには、10分以上の時間と、多くのコトバたちと、不必要なエネルギーを必要とする。問題が発生したら仕切っておられた責任者にお任せすることにする。つまり、丸投げじゃー。

夕方からは意志決定会議。ここでも身内のはずの「情熱氏」が大活躍し、徐に手を挙げて発言しだす。発言内容は、端的に述べて、ワシを含めたものたちへ牙を向くようなものであった。身内というものは、得てしていちばん遠くにいると感じられるものなのですよ。近くにいると感じられても困りますがな。ちなみに、このようなことにも笑えるようになりました、最近は。

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27日。午前中から某会議。

10月か……。