他者の〈耳〉
授業、ヨロズ相談、授業、会議(3時間)。
先日メールしてきた元指導学生の女子が研究室にあらわれる。擦り切れたココロが微笑みをとおして透けて見える。こんな時ぐらいは、現実を直視させる冷酷な励ましよりも、逃避を促すようなアリキタリの優しさが必要とされるのかもしれないと思い、それらしいことばを吐いてしまう。聡明な彼女にはワシの考えなどお見通しのようだったが、黙って芝居じみた台詞につきあってくれる。その後、自らを鼓舞するように、彼女はことばをつむぎだしていく……。ワシにできるのは、彼女のことばを受けとめる〈耳〉になってやることぐらいのようです……。1時間ほどすると、「また来る」と言って去って行く。帰り際、昼食にする予定だったチープなアップルパイをあげる。帰りの微笑みにはキラメキが少し復活したように思う。
もろもろの間隙をぬってHumeの第1章を読了する。今日はまとめる気にならず。
その後、会議でウンザリする。そういえば、会議の前に事務仕事の依頼がきてウンザリしたんだっけ……。ウンザリの上書き更新ばかりで、更新前のウンザリを忘れる傾向にある。
新しい月のはじまり、もろもろの限界を感じる……。