夏の終わりには

6日。朝から東京にいって勉強する、はずが自分の原稿ができていないので、研究室で原稿をチマチマ書く。やはり3日前から書きはじめてはいけません。今日お会いするはずだった方々に申し訳なく思い、心のなかで頭をさげる。やっとできあがった原稿はミスボラシサの極みだが、仕方がないので、このミスボラシサともに、4時間遅れで東京に向かう。その後、東京でも1人で原稿を見直す。夕食はいつものようにオオトヤの梅おろしとんかつ定食。

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7日。朝からスタバで原稿を見直す。結局、自分の発表はボチボチという感じでした……(かなり贔屓目に言って)。この会はいつもとても楽しく勉強になる。そして、いつも自分の不勉強を痛感して凹む。ハクロンか……。その後、皆さんと軽い食事をするために「おふくろ料理」の店に行く。から揚げ、大根の煮たもの、ナスの煮たもの、が美味。学力だけではなく、おしゃべり力も足りないと実感する。これもいつものこと。店に入るころにポツポツと落ちはじめた雨粒は、店を出るころにはもう姿を消している。湿った道路のうえをトボトボと歩いて、ひとりホテルまで帰る。歩きながら、ちょうど2年前、この酒席でワシの隣に座られた先達のことを思い出す。エマニュエル・レヴィナスレオ・ベルサーニについて話しましたよね……ワシ、少し緊張してました。思い出のあとは、この2年間の自分を振り返り、恥ずかしくなる……。歩くことは思考することでもある。

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8日。時間ぎりぎりにホテルをチェック・アウトする。ホテルは明日が新装リニューアル・オープンだそうで、どうやらワシが最後の客だった模様。最後の客なのにカンシャのムードはまったく感じられず、むしろヤッカイバライのムードをホテル全体からひしひしと感じる。その後、スタバでボーっとし、本を2冊(初期近代イングランド演劇の検閲に関する研究書と、18世紀のシェイクスピア受容に関する研究書)を買い、新幹線に乗り、駅弁を食べ、居眠りし、出発地点にたどり着く。そうそう、昨日『Etherege演劇集』も買いましたっけ。

夏の終わり、夏の終わりには、ただアナタに……。