鹿児島から七五三まで

10月19日。息子氏の七五三の写真をとりに行く。ドーキョニンが自分も和装をするといってきかないので、必然的にワシも袴などを装着させられる。迷惑至極。カメラマンや衣装係のお姉さんにおだてられて、息子氏は、はじめ上機嫌で撮影にのぞんでいたものの、途中からご機嫌がナナメになり、大泣きしはじめる。仕方がないので、ワシが抱っこをして、なんとか写真を撮り終える。ワシも息子氏も汗をかいて若干シットリとした表情の写真ができあがってきてしまう。その一方で、傍らに写りこんでいるドーキョニンは涼しい顔を決め込んでいるので……。それにしても、写真屋お姉さんたちは、子どもの対処方法を心得ておりますな。

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10月8日。『プルガトリオ』@東京芸術劇場。同じ劇作家による『死と乙女』のチケットはとれなかったが、これは見られた。二人芝居だが、これがイアソンとメディアの後日談であるということに、どれだけの観客が気づきえたのだろう。もちろんパンフレットを見れば、彼らの名前に言及がされているので、それとわかるのだが、パンフレットを買わない観客は、はたして舞台上の男女が、劇中、イアソンとメディアであるということを知りえたのだろうか。知りえなくてもよいのかもしれないが……。どうでもよが、周防監督がいた。

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10月6日。思いのほか会場に到着するまでに時間がかかるようなので、飛行機の時間を考慮して、二日目の参加はとりやめる。その代わりに、お土産を購入したり、スタバでThe Honet Man's Fortuneを読んだりする。この芝居はMalone Society Reprint版か、Beaumont & Fletcher全集版しかないので、後者の版で読んでいるのだが、なんとも読みづらい。ひとえにワシの頭が悪いからなのだが……。鹿児島のスタバで苦悶する。

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10月5日。鹿児島に行く。拝命している役職上の責務で、当初は早くても夕方にしか到着できない予定だったが、なにやらお役御免になったようで、少し早めの便で鹿児島に向かうことができた。前回来たときは、桜島が噴火していて、街に火山灰が降り注がれていたが、今回は桜島はお休みをしていたようだ。それにしても、飛行機を降りて、市街までバスで移動し、市街からローカル線に乗って住宅地の駅まで行き、そこからバスで数分……なんとも長旅であった。長旅のかいあって、研究発表を2件拝聴することができた。そして、久しぶりにお会いできた方もいた。鹿児島はよいところだな、と思う。

 

眠い……。

 

 

9月のことを少しだけ

9月のことを書くのをすっかり忘れてしまっていた。

9月29日。現在拝命している役職の関係上、ホテルで開催される「保護者会的ななにか」に参加させられ、教務関係の説明をさせられる。終了後は立食形式の昼食パーティがあるのだが、とくに話す相手も、話しかけられる相手もいないので、ひたすら食事に専心する。

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9月19日。『アジアの女』@シアターコクーン。客席は女性が多い。演出はなんとなく既視感ありで、退屈に感じてしまう。汚染土の土嚢を積み上げた背景は、直截にすぎて凡庸に映ってしまう。あるひとりの女の生を〈アジアの女〉へと昇華して神話化してしまう結末は、なにやら気恥ずかしく思われてしまう。

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9月17日。おじいちゃんに会う。前回は「相続」の話だったが、今回は「自宅を処分して引っ越す考えがある」という話だった。「きみ、最近、マンション買ったんだよね、いくら?」とストレートに尋ねてくるので、「3億5千万円です」と答えておく(嘘)。

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9月10-11日。「しまかぜ」に乗って鳥羽に行く。一日一往復運航の特急「しまかぜ」ですが、息子氏は発車後10分とたたないうちに深い眠りにおちて行きました。鳥羽駅で下車したあとは、体重12キログラムの息子氏をかかえて、酷暑のなか鳥羽水族館まで歩き、とめどなく汗をかきました。残念ながら、息子氏はあまり海の生き物に興味がなかったようで、水族館内のエレベーターに乗って楽しむことに大半の時間が費やされてしまいました。その後、ホテルに移動し、くつろいだり、お土産を買ったり、息子氏のエレベーター乗りにつきあったりしておりました。夕食には、鱧や鮑が出てまいりました。息子氏は、ブドウジュースをおいしそうに飲んでおりました。帰りの特急は「しまかぜ」ではありませんでしたが、またしても息子氏は発車5分で深い眠りにおちて行きました。息子氏は息子氏なりに疲れたのでしょうな。自宅に戻って「なにがいちばん楽しかった?」と尋ねたところ、「バス」という答えが返ってきました。駅からホテルまでのお迎えのバス(乗車時間往復約10分)が、息子氏のいちばんの思い出になったようです。これが、わが家の今年の夏の旅でした。

 

残暑お見舞い申し上げます……。

 

 

今月のお出かけ

8月はとにかく忙しかったが、大方のことは忘れてしまった。

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10日。『二度目の夏』@本多劇場岩松了、すごい。あんなにも切ないキスの場面はなかなか思いつかない。東出昌大は不思議な無気味さをもった俳優だが、その無気味さは、同じ舞台に立っていた菅原永二とは間逆であるな。『世界は一人』のときにも思ったが、菅原は、芝居が終わったあとも、なにかしらの印象を残存させてくるシツコサをもっている。もちろん片桐はいりは目をひくのだが、東出、菅原、仲野はじめ役者たちそれぞれが芝居の線に上手くのって演技をしている印象をもったし、清水葉月も、片桐に負けてはいなかった。

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9日。『お気に召すまま』@東京芸術劇場。時間とお金と体力と……すべてを無駄にした。疲れた。『人形の家 Part II』@紀伊国屋サザンシアター。昼間見た駄作と好対照で、疲れと怒りが少し沈静化した。

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7日。『フローズン・ビーチ』@シアター・クリエ。秀逸。劇中、神の相貌がまたしても一瞬だけちらつくが、すぐに消え去る。

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6日。分厚い書類の束2セットをもって新高輪プリンスホテルに行く。わざわざ遠回りをしてしまったようで、灼熱のなか余計なウォーキングをして汗をかく。宿泊に行ったのではなく、ラウンジでハイ・ティーをしながらの仕事の受け渡しが目的なり。ハイ・ティーは、3時間の時間制限があったが、受け渡しの説明で2時間半ぐらい話しつづけていたので、実質的には残りの30分ですべてのものを腹におさめることになった。なにはともあれ、無事にひきつぎが終わって、肩の荷が少しおりる。

 

8月、終わりますな……。

「ごめんちゃい」。

7月30日。もう我慢の限界に達していたので、髪の毛を切る。視界は良好だが、前途は多難か。今現在、まだ切る髪があるだけよしとする。

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7月20日。『美しく青く』@シアターコクーン。トイレに行こうと思って下りのエスカレーターに乗ろうとしたら、真横にある上りのエスカレーターから田名網敬一が下りてきて驚く。このエスカレーターで有名人に遭遇するのは、2回目なり。キャストは豪華で熱演なのだが、芝居それ自体には、なんとなくモヤモヤしてしまう。ワシはやはりwell-madeな芝居が好みなのでしょうな……。銀粉蝶さんのカーテン・コールでのたたずまいに感服する。

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7月14日。『キネマと恋人』@愛知芸術創造センター。初演はキャストのひとりがインフルエンザにかかり公演中止で見られず、再演の東京公演はチケットが当たらず、12日の名古屋公演のチケットをおさえたものの、某会議のために行けず(某会議があることを失念しておりやした。このチケットは後輩氏のところにもらわれていきやした。後輩氏も満足してくれたので里子に出したかいがありやした。)、14日の名古屋公演のチケットをとり直してようやく見ることができたしだいなり。ようやく見られた芝居は完成度が高く、大いに楽しむ。ただ、隣の席の客がワシの観劇史上ワーストの輩家族ご一行様だったので、多少イラつく。ロビーで売り子をしていた劇作家に握手をしてもらったところ、「ありがとう」と声をかけられる。ミーハー炸裂で、「ごめんちゃい」。

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7月13日。今年も「司会業」に精を出す。一時間の持ち時間があったのだが、皆さんのご協力によって、スムーズな議事進行となり、30分ほどで終了してしまう。つぎの予定まで長めの休憩時間が生じてしまい、妙に手持無沙汰となる。前日は、2時間以上の会議の音頭をとることになったのですがね……。それはさておき、「学会の成功は弁当のクオリティによって左右される」というテーゼをえる。

 

猛暑到来……。

意味深か、仲良しか。

18日。会議があると言っているのに、そこに別の会議の予定をかぶせてくる輩がいるので、「あんた、被せるのがとことんお好きですなぁ~」と、ちびまる子ちゃんみたいに言ったとか、言わなかったとか……意味深か。

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16日。いきりたつ人がいるので、少々ヤヤコシイことになってきた。

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7日。オジイチャンに会う。いつものように、待ち合わせ時間の20分ぐらいまえにお互い来てしまう。遅めの昼食をとりながら、気がつくと3時間ぐらい話をしている。おもにしていたのは「相続」の話なのですが、それで3時間とは……仲良しか。

眠いわ……。

詠み人知らず

令和でも 不毛な会議 二時間越え (詠み人知らず)

 

キルケゴールが「自分は33歳までに死ぬのではないか」という不安にさいなまれていたことを知り、「ワシはやはり凡人だな」と思ったしだいなり。

 

エーゴ教育は人を不要に熱くするし、それが自分の思い通りに事を運ぶアリバイにもなっている。いろいろと講釈述べてくれるのはよいが、それで学生の向学意識は高まるのかね……。もっとココロを鎮めて冷徹な現実を両眼で眺めてみなさい。

 

あほか……。

 

 

 

 

 

令和もやはり疲れてます

令和もやはり疲れてます。

 

一週間前に突然「来週〇曜日〇時限目に会議やるから来い」と言われても、行けるわけないだろ。お前らみたいに暇人なら「はいよ」と答えられるのかもしれないが、ワシはもう何週間もまえからそこは予定でうまっておるわ。あほか、なめるな。

 

17日。『ハムレット』@コクーン。二階席の奥は、さすがに舞台からは遠い。最初せりふが聞きとれなかったが、慣れてくると大丈夫だった。ハムレット役はaffect強めのせりふまわしだったように感じられた。

 

あほか……。