9月のことを少しだけ

9月のことを書くのをすっかり忘れてしまっていた。

9月29日。現在拝命している役職の関係上、ホテルで開催される「保護者会的ななにか」に参加させられ、教務関係の説明をさせられる。終了後は立食形式の昼食パーティがあるのだが、とくに話す相手も、話しかけられる相手もいないので、ひたすら食事に専心する。

* * *

9月19日。『アジアの女』@シアターコクーン。客席は女性が多い。演出はなんとなく既視感ありで、退屈に感じてしまう。汚染土の土嚢を積み上げた背景は、直截にすぎて凡庸に映ってしまう。あるひとりの女の生を〈アジアの女〉へと昇華して神話化してしまう結末は、なにやら気恥ずかしく思われてしまう。

* * *

9月17日。おじいちゃんに会う。前回は「相続」の話だったが、今回は「自宅を処分して引っ越す考えがある」という話だった。「きみ、最近、マンション買ったんだよね、いくら?」とストレートに尋ねてくるので、「3億5千万円です」と答えておく(嘘)。

* * *

9月10-11日。「しまかぜ」に乗って鳥羽に行く。一日一往復運航の特急「しまかぜ」ですが、息子氏は発車後10分とたたないうちに深い眠りにおちて行きました。鳥羽駅で下車したあとは、体重12キログラムの息子氏をかかえて、酷暑のなか鳥羽水族館まで歩き、とめどなく汗をかきました。残念ながら、息子氏はあまり海の生き物に興味がなかったようで、水族館内のエレベーターに乗って楽しむことに大半の時間が費やされてしまいました。その後、ホテルに移動し、くつろいだり、お土産を買ったり、息子氏のエレベーター乗りにつきあったりしておりました。夕食には、鱧や鮑が出てまいりました。息子氏は、ブドウジュースをおいしそうに飲んでおりました。帰りの特急は「しまかぜ」ではありませんでしたが、またしても息子氏は発車5分で深い眠りにおちて行きました。息子氏は息子氏なりに疲れたのでしょうな。自宅に戻って「なにがいちばん楽しかった?」と尋ねたところ、「バス」という答えが返ってきました。駅からホテルまでのお迎えのバス(乗車時間往復約10分)が、息子氏のいちばんの思い出になったようです。これが、わが家の今年の夏の旅でした。

 

残暑お見舞い申し上げます……。