サプライズ苺

15日。ものすごく細かい調べものをしていて、頭がキーンとしてくる。そして、眼が充血する。

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14日。11時開店とは知らずに、ピエール・マルコリーニの店のまえに10時に来てしまう。ピエール、このヤルセナサをどうにかしてくれ。

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13日。お願いですから、ワシを巻き込まないでけろ。

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12日。会議1、会議2、会議3。会議1では、その任にあたる必要はいささかもないはずの「情熱氏」が、おのれの仕切り熱を沸点にまで到達させながら、「本来の仕切り係」を差し置いて躍動しはじめる。もちろん、この熱は怒りに裏打ちされている。たしかに配布資料のすべてを事前にまとめておらず、会議開始直前に議場にあらわれた「本来の仕切り係」に、ひとつひとつ資料を配布して回るなどという振る舞いをさせられたわけだから、氏が怒るのも致し方なし、と言えよう。「わたしこういう不手際我慢ができないタイプなんです。先生は我慢できます?」と、「情熱氏」はこっそりワシにコトバを投げかけてくるが、配布してくださいと言われて手渡された情熱氏作成資料が「ハサミ切り貼り+糊付け+手書き加筆あり」という重装備だったので、「これも配布資料としては不手際の部類に入るのではないか」、「昨今評判が著しく良くないものの、ココはコピペという技術を使って資料作成した方が良かったのではないか」とココロのなかで想う。危うく言い忘れるところであった。「本来の仕切り係」とは、「にぎり」と「ちらし」の差異には細心の注意を払って事前発注できる、違いがわかる男「テリー氏」にほかならない。会議2は無難に終わったが、会議3は釈然としないままに終わった。

会議終了後急ぎ足で移動して、某女史たちとのお疲れ様会。皆さん元気。色々な話をお聞きしたが、統一テーマは「キレる」ということだったか、あるいは、「土下座の効用」だったか。途中、テレビでたまに見かけるオーナーシェフが姿を現す場面があったりしたが、いちばんの驚きはワシのデザートの皿にのっていた苺が器用に細工されていたことだった。しかもワシのまえにそれが置かれたとき、「この苺、今回はじめてやってみました」と、店のひとは言うではないか。で、なぜにオッサンのデザートにこのサプライズをもってくるのかね? どうせなら、同じテーブルにいる女史のだれかか、ほかのテーブルの女史のだれかに出すべきではなかろうかね? デザートを運んできてくれた氏よ、やめておけ、ワシにその気はないぞ。

la bettolaとは名ばかり……。