花粉到来

3日。Mercutioが「メルキュージオ」なのか……。しかも、イタリア語版には、la risposta di Carmelo Bene al saggio di Deleuzeが収載されているようだが、それは訳出されていないのね。残念。

* * *

2日。とうとう花粉がやってきたようだ。

* * *

1日。『サニーサイドアップ』@本多劇場。不条理な展開になるのかと思いきや、そうでもない。どちらかというとsweet(as honey)な調子に進行して、少し物足りないというか、どっちつかずというか、こういうのもありか、と想う。嫌いではないが……。赤堀氏は前回観たときにつづいて良い。それはさておき、右隣は惰眠を貪ってもたれかかってくるサラリーマン、左隣は役者がどんな台詞を言っても必ず笑い声を漏らす女性、という地獄のような環境だった。とりわけ、左隣の女性は、背もたれなど不要と言わんばかりに身を乗り出しながら、ある特定の役者が出てくると、右手を小刻みに震わせるという運動を作動させはじめる。ああ、これがファンというやつなのだな、と想いながら耐える。終演後、立ち上がって劇場を後にしようとする女性の顔をチラリと見たら、束の間の祝祭が終わってしまい現実の時間を生きる重荷をふたたび背負いこまされてしまった人のような相貌が、そこにはあった。もちろん、さきほど小刻みに震わせていた右手も、その軽やかさは失われ、重そうな鞄を担ぎ上げるための肉に変貌していた。ああ、これがファンというやつなのだな、と想う。

鼻水注意……。