透徹した薄情さ

28日。広島から出張してきたクリームパン屋のまえにできている長蛇の列にならんでみる。いくつか買って、そのうち2つを「締切すぎ書類」といっしょに事務の女子にお届けする。なにとぞお納めください、ということなり。

会議終了。情熱氏は体調不良で今日もお休み。そろそろこの薄情な組織にも氏を気づかう心配の色合いがではじめるが、基本線は薄情なので、対応策としては薄情な結論におちつく。それにしても、情熱氏が休むと顕著な特徴が2点視界に浮上してくる。会議時間がぴったり2時間におさまることと、会議での睡眠を得意とするオッサン、またの名を、テリー氏が、水を得た魚のように生き生きとし、ペラペラよくしゃべるようになること、だ。後者については、かりに女子高生が見たら、キモイということばをつぶやいてしまうような変貌ぶりと言ってもかまうまい。

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27日。家のなかで終日すごす。行動範囲は半径2メートルの円のなかにすっぽりおさまってしまうくらいなり。『金八先生』のエンド・ロールに一瞬うつしだされたキツネ目の男子生徒にはっと息をのむ。どうやら、今日はその人物の命日であったようだ。合掌。

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26日。研究室で作文2つをこなす。やりとげた感はない。

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25日。夕暮れ時から旧知の仲間ならびに先達が集まって会を催してくれる。いか、ほたて、わかめなどのしゃぶしゃぶ、和牛ステーキ、稲庭うどん……を食す。自分の名前が書き記されたケーキが登場し、そこに立っているローソクをフッーと吹き消す。ああ、恥ずかしきことよ。生きていると自分の思惑以外の出来事も受け入れなければならないことは多々ある。もうこれ以後はそっと死なせておいてください。

え、あと一週間か……。