散り行く桜

初夏の陽気つづく。本日は4つの授業を行う激務の金曜日。午前中の2つで既にワシのなかの60%の部分が風にさらわれて行き、午後からの2つで残っていた40%をはるかに超える部分が夜のかなたに消える。

ハラハラと桜の花びらが舞い散る光景にはっとする。散り行く孤独な花びらが語るのは、陽気に顔をほころばせれば事足りるようなわかりやすい美しさではなく、注意して顔を取り繕わねば面倒になりかねないようなやるせない美しさである。その顔をうっかり感情に明け渡しでもしようものなら、記憶が液体となって頬をつたうに違いない。今年の桜は、あまりにも多くの記憶を招き寄せようとする。

今日とどいた本(今日から再開)は以下の2冊。
J. Loftis, R. Southern, M. Jones, and A. H. Scouten, The Revels History of Drama in English, Vol. V. 1660-1750 (Methuen, 1976).
Edward Howard, The Change of Crownes: A Tragi-Comedy. ed. Frederick S. Boas (Oxford UP, 1949).

花の色うつりにけりな……。