同じ年生まれ

3日。風邪完治せず。研究室で論文を読んでまとめる。訳あってバーゲン中のデパートという戦地に赴くことになり、予想通り疲労とともに帰還する。

土曜日か……。

* * *

2日。昨日よりは早く起きて、研究室に行き、王政復古期演劇に関するデータを整理する。

東の京での戦利品のひとつ江藤淳蓮實重彦『オールド・ファッション』(中公文庫,1988)を読了する。この2人の対話を成立させているもの、あるいは、ここから排除されているものについては、「対話による解説」が真っ当すぎる解説をしてくれている。交わされることばから見るかぎり、2人の話題のひとつにもなっている同性愛的(あるいはホモソーシャル的)空間の濃密さが、この男たちを捉えて離さない。それは彼らの生存の与件であったオボッチャン的親密圏の共鳴と言い換えることができるのかもしれない。そんなにお互いわかりあっていいのかしらね。エトーが新世紀を見ずして手首に剃刀をあてて亡き妻のもとへと旅立ったことは、幸福な生を生きるための必然だったのか……。ハスーミが「ぼく」から「わたくし」へと聡明に変貌を遂げたことは、不幸な今を生きるための偶然の運動だったのか……。夜テレビで立川ダンシを見る。ハスーミとダンシが同年生まれだと気づく。

あな、おそろし……。