贅沢な食卓

今日はかなり肌寒いが、曇りをメインに、ときおり雨粒が落ちてくるという点では、昨日と同じ天気と言っていい。スポ根漫画にでてくるオヤジ並みの頑迷さに敬服する。

有能なインストラクターは、羊たち1人1人に、昨日なにをしていたか問いかける。ときおりオーバーと言っても良いくらいのジェスチャーや表情で、自分の言っていることを羊たちに伝えようとする姿勢は、やはり見習うべきものがある。そっとわが身を振り返る〜。その後、gotta(go to), hafta(have to), hasta(has to), Whacha(What are you / What you)など、会話において通常用いられる短縮表現の練習をする。羊飼いも一緒になって練習してみる。わかっちゃいるけど、考えながらだとうまく言えないのよね、これが。

授業の後半は、この授業を含めたスタディー・プログラム全般に関するアンケートの実施からはじまる。羊たちがアンケート用紙に○をつけているあいだ、羊飼いはボーとする。アンケート用紙が回収されたあと、数コマの漫画が描かれたプリントと、ストーリー作成の補助となる英語表現が記されたプリントが配布される。今日は"Looking for Love"というタイトル。以前と同様に、羊たちは各自、この漫画のストーリーを考え、簡単な説明文をコマごとに英語で書き記していく。今日は時間がなくなってしまったので、明日の時間に発表、ということになる。

授業後は、相方と2人でボスのところに出向き、必要事項1件だけを確認して早々に立ち去る。その後、相方とも別れる。時間が中途半端でやることがないので、昼食をとることにする。メニューは例のサラダ1皿……。

今日の午後はConversation partnersの最終回。またしても集合場所にチョロッと顔を出し、失敬失敬と言って、dormにそそくさと帰る。dormでは、眼を閉じてうつつの記憶をなくしているあいだに、1時間ぐらいが経過してしまう。その後ボーっとしていたら、さらに時間がたってしまう。仕方がないので、夕食をとりに向かう。

食堂に行くと、顔なじみの悪ノリ男性(Oregon Coastに連れていってくれた人物)が、見知らぬ男性と食事をしているのをみつける。そこに羊飼いも同席させてもらう。見知らぬ男性は韓国からの留学生で、financeの勉強のため、すでに9ヶ月間、オレゴン大学にいるという。どうりで英語がかなり流暢。この韓国人男性、最近付き合っていた日本人女性との別離を経験したそうで、羊飼いに日本人女性を賞賛してやまない。これ以後、3人の会話の95%が、女性は……ということになる。典型的な大学生の会話に引きずりこまれることになったが、友人同士のfrankな会話に加わることができて、羊飼いもなんとなく楽しくなる。そして、日本での人格を捨ててペラペラしゃべってしまう。ここには書けないことばかりなり……。ボスや有能なインストラクターとの会話が、いかにpoliteなものであるか、この時あらためて認識する。会話の残りの5%は、あんたは学生のように見えるね、とか、あんたはサラダばっかり食ってベジタリアンかね、というネタ。楽しい食事のあと、2人と握手して別れる。食事は1人でするものではないですな。

その後、いつものように定例のミーティングで今日もおしまい。ある羊が英文添削の依頼をしてきたので、真っ赤にして返してあげる。明日で授業は終了する。

一期一会ということばは寂寞とした光を絶えずはなっている……。