古本屋の魔法

晴れ、つづく。

昨日羊たちを送りだしたため、今日は羊飼いも一時休職。昼すぎにムズムズと起きだし、服を着替えて散歩にでる。休日のキャンパス内は極端に人の数が減り、ひっそりとしている。太陽が照らし出す緑と、あわただしく動き回るリスだけは、いつもと変わりがない。

あてもなくブラブラ歩いていると、古本屋の近くまできてしまう。せっかくだから、と思い、店の扉を押す。店内では、"I love [Shakespeare's] Measure for Measure"と大声で主張する、眼鏡をかけたおさげ髪の女の子を目撃し奇異に思う……。店からでてきたときには、なぜかWilliam Wycherley, The Plain Dealer(4ドル也)を手にしている。まあ、このLeo Hughes編纂版はもっていなかったから買ってもいいよな、と自らに言い聞かせる。時計を見ると、dormを出てからまたしても2時間近く経過している。今日は歴史学と哲学の棚をはじめて見たから時間がかかったんだよな、と自らに言い聞かせる。古本屋を流れる時間には魔法がかけられている。

その後dormにいったんもどる。午後の陽射しが容赦なく差し込み、部屋のなかはまるで温室のようになっている。1時間ほどで我慢の限界をこえる。ちょうど時計が5時を指したので、ちょっと早いが、夕食をとることにして部屋を逃げ出す。本日もこれが最初で最後の食事。これでは健康にマズイと思い、いつもよりサラダをたくさん食べる。サラダをほおばりながら、今日も健康な食生活を送っているよな、と自らに言い聞かせる。

食事の後、大学の北側方面に行ったことがないのに気づき、北側方面に向けてブラブラ歩いていく。20分ぐらい歩いてから、dormにもどる。汗をかく。健康健康。

7時半ごろになって、ようやく日が傾きだす。羊飼いの貴重な休日第1日目が充実のうちに終わったことを認識する。

夜、稲光がするも、雨は降らず。

ときには無為であることも必要なぁ〜のだぁ〜……。