仕方がなくないのは1日だけ

29日。仕方がないので、歯医者に行く。その後、大学にむかい、今年最後の事務的なメールを出す。

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28日。仕方がないので、大学に行く。冷房がかかっているのではないか、と思われるくらいに電車のなかが極寒状態なので、「このまま黄泉の国まで運ばれていくのかな、ジョバンニ」などと思ったとか、思わなかったとか……。

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27日。トーキョー詣で。体調を崩されている方が多い。ワシは元気。片手に傘をもち、片手をポケットに突っ込んで夜の街を歩いていたら、「つるん」と滑ってコケる。傘をもたせていた方の左肩からアスファルトの上に倒れて、挙句、お茶の間で横になってTVを見ているような恰好になってしまう。恥ずかしい。いっそTVのチャンネルを変える仕草でもしてやろうかと思ったが、両手がふさがっていたので、なにもなかったかのように、スクッと立ち上がって、スタスタ歩きだす。来年はコケませんように、色々な意味で。

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26日。仕方がないので、一族と夕食会。

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25日。仕方がないので、近所にある(ワシではない方が)お気に入りのイタリアンでディナーを食す。「〇大教授」という宣伝文句が帯にしたためられた文庫本を読む。an academic celebrityということばは存在するのかな……。

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24日。仕方がないので、プレゼントを買う。なにを買ったらよいのかわからないので、「透き通ったドラえもん」にする。まあ、色々な意味で記念ということにして、おのれを納得させる。『ディスコルシ』を読了する。君主制であろうと、共和制であろうと、『君主論』の作者が〈法律〉を重要視していることが興味深かった。それにしも、長い。

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23日。仕方がないので、昨年同様、デパートの10階でケーキをひきとって、自宅まで運搬する業務をこなす。ケーキ待ちしているときに、(デパートが用意した)外国人サンタクロースが子どもたちをひきつれて練り歩いてくる。Buon Natale a tutti!

来年こそは……。