寂寞

雨の土曜日。寒い。

某媒体に書かなければならない文章の対象物をMartin Wiggins, British Drama 1533-1642: A Catalogueにしようと思っているのだが、この本が凄過ぎるので別のものにしようか、どうしようかと思案中なり。

ハインリヒ・フォン・クライスト『チリの地震−−クライスト短編集』(河出文庫)、クライスト『こわれがめ』(岩波文庫)、マキァベェッリ『戦争の技術』(ちくま学芸文庫)などなどを読む。地上では救いを求められなかった件の独逸文学者の墓碑銘には「不滅よ、お前はいまこそわたしのものだ」と刻まれているらしい。ある女性とともにピストル自殺をすることによって天上での救いに導かれていった件の独逸文学者の命日が、もうすぐやってくる。11月21日ともなると、ベルリン郊外の湖畔の林のなかは極寒であったにちがいない。寂寞。

「みんなの願いは同時にはかなわない……」と、ウタダさんがたしか歌っておったでろう。あるところでは、オノレの欲望に忠実であろうとするのを放棄しなさい。ご存じ、仕事場のお話。

寒い……。