劇作家の思い出

13日。N大で授業1つ。雑談が上滑りするが、陽気に免じて許せ。

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12日。授業2つで疲労∞。

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11日。買い物をする。豚骨味噌ラーメンを食べる。

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10日。外国人を配偶者とするまでの女性の葛藤を描く映画を、なぜか映画館で見てしまう。

井上ひさしの訃報にふれる。数年前、京都駅のホテルで先輩の某女子とコーヒーをすすっていたところ、ぶらりと登場してわれわれの前のテーブルにひょっこり腰を落ち着けたのが件の作家であった。氏もコーヒーを注文すると、そのカップを空にして立ち去るまでの数分のあいだに、たしか3、4本のタバコを立て続けにくゆらせていたと記憶する。周囲の客は誰ひとりとして、それが『人間合格』の劇作家であるとは気づいていなかった。「サインを……」などとしばし思ったものの、愛煙家の至福を妨げる勇気を持ち合わせていなかったので、登場したときと同様に、ひょっこり立ち上がってぶらりと退場していく姿を眼で追うにとどめた。その翌日ジャック・デリダの訃報にふれることになったことなど、いまは余白に書き記すべき思い出にすぎない。

さようなら……。