タイガー讃

春めいた陽気。おそらくは現時点ですでに今年のベスト3に入ることが確実であろう書物がすでに出版済みであることを、不覚にも新聞紙上で昨日知るところとなったので、朝から書店にかけつけて現物を確認する。『昭和素敵大敵』の画家が残した絵の集成であるその本『TRA』は、透明の袋に入れられて、サブカルチャーのコーナーに積み上げられていた。かなり感動。

あれはいつだったのかもう定かではないが、某国営教育TVで『昭和素敵大敵』が映し出されているのを偶然眼にし、世のなかをこんなにも面白くさせることのできるお方がおられるのか、と感嘆して以来、件の画家はワシにとって特権的な存在となった。暫く時をおいて彼方の地で開催された展覧会には残念ながら詣でることはできなかったが、そのときのカタログが手に入らないか、これまでどの古本屋に入っても必ず探してきた。このたびまとまったかたちで画家の作品にふれることができるようになったのは、なんとも慶賀すべきことなり。画家の静かな微笑みをとらえた映像が再起してくる。タイガー立石、偉大なり。

William Congreve, The Old Bachelorを読了する。

素敵大敵天敵仇敵不敵怨敵無敵宿敵……。