呆れほうける

午前中は研究室の机の上の掃除についやされる。使いかけのボールペンがゴロゴロ登場してきて、ペンひとつの使用もまっとうしてやれないわが移り気に呆れほうける。使わずに放置しておいたボールペンのグリップ部分が粘着性をおびているのは、見棄てられたことに対する彼らのささやかな抗議のあらわれなのかもしれない。

午後3時から正確に3時間ほど会議。途中で議論の方向性が捻じ曲がっていき、責任を負う必要の無い人が非難される状況になってしまったのを見かねて、ささやかな助け舟を出す。が、効果なし。最後に、その人に対して失礼以外のなにものでもないと思われる要請をする輩たちがいて、これまた呆れほうける。すかさず「自分で書け」と発言してくれるような聡明な女史が同席されていたことに、ほっと安心する。喧騒の放埓が沈黙の倫理に屈する瞬間など、いささかも認めてはならない。カマビスシサのなかに英雄は存在しないのだ。李小龍にはまだ学ぶべきことがある。

アチョー……。