随時受付中

15日の日曜日。研究室で雑用。怒りが再燃してくる。したがって、早々に退散して本屋に行く。『みすず−−読書アンケート特集』(2009年1・2月合併号)を購入する。川ぐち喬一氏がどんな本をあげ、どんなコメントを寄せているかを見るために、毎年これを購入しているようなもの。会議のあいだに眺めるとする。斎藤環『生き延びるためのラカン』(basilico,2006)も古書で買う。

帰りの電車で隣に座ったウスラハゲの思いやりのなさに、イラッとする。小さな子どもが困っているのだから手助けしてやりなさい、このウスラハゲ。羊飼い時代の血が騒いで、こいつの貴重な毛を刈り取ってやろうかと一瞬思うが、あいにくハサミはアメリカに置いてきたのであった。

ストレス蓄積中……。

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14日のヴァレンタイン・デー。昨日、義理堅いお嬢さんにチョコをいただく。例年どおり、本日は収獲なし。
海保眞夫『文人たちのイギリス十八世紀』(慶応義塾大学出版会,2001)を読了する。気品ある日本語と博識に、「ああ、これが十八世紀研究者なのだ」となんとなく思ってしまう。

15日以降も随時受付中……。

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13日の金曜日。ある先生をめぐる集いに参加し、メキシコ料理を食す。眼の前を行き来するテキーラは遠慮して、もっぱらビールを飲み、タコス、サラダ、魚介類、カレーみたいなものをいただく。「ボヘミア」なるビールが美味。毎度のことながら、いまいちその場の雰囲気にのりきれず、シレーッとした存在に凝り固まってしまう自己に嫌悪を感じつづける。「ある先生」がニコニコして楽しそうなので純粋によかったと思う。最後に「友情」をめぐるスピーチを耳にして、少しセンチメンタルになる。

帰宅して、ある人の生に明確な期限がひかれたことを知り、ことばにつまる。人の命の長さを知ってしまったことに、ある種の振るえを感じる。もし神なるものがいるとしたら、夜毎に彼はこのような圧倒的な振るえにおののいて時を過ごしているのだろうか。いま病の床にある人がよく眠れますように。

……。