殺伐日和

14日。採点。雑談。会議2つ。教授が刺される。

さむい……。

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13日。夜のお勤めをすべく森のなかの大学へと馳せ参じる。街中よりも寒さが骨身にしみる。風船につつまれた口語調の日本語とイラストレーションによってつむぎだされた物語が閉じ込めてられている魔法の書物を机の下にそっとひろげてひとしきりその世界に興じ、その後は現実世界に復帰して英語を読むこともなく睡眠というもうひとつの別世界に逃げ込んでいった男の子を、殺意の内包された優しい眼差しで見つめる。この方もワシの授業を「評価」する文章なるものを綴ることになっている。しかも、自己を棚上げにした辛辣さという点で、それは決まって雄弁なのだ。

やれやれ……。

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12日。凍えるような寒さのなか、N大で論文解題のようなもの。Brigitte Peucker, The Material Image: Art and the Real in Film (Stanford UP, 2007)の第4章 "The Scene of Art in Hitchcock I"について、テキトーなことを話す。帰りに寄り道をして黒豆大福を仕入れる。こうして連休が終焉をむかえる。

すべてがイマイチ……。