冷静と情熱のあいだ

12日。昨日の奇跡的和解について、お嬢さんに報告する。

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11日。ある労働者の1日。

10:30〜13:00 「冷静」と「情熱」拡大会議
13:05〜13:50 PC系会議
15:00〜15:45 大きな会議
15:55〜16:45 小さな会議 
17:00〜19:30 「冷静」と「情熱」集中会議

一日の終わりになっても「冷静」と「情熱」のあいだに穿たれた隙間が埋まらず、その隙間にはまりまくるワシ。だが、最後には奇跡的に両者の意見が一致し、和解が成立する。「最初から意見の相違なんてなかったんですわ」とおっしゃることで、己のなかに存在する何かと折り合いをつけようとする「冷静」と、鉄の意志を溶解させることに成功したあとのカタルシスに酔いしれる「情熱」……「冷静」と「情熱」のあいだに文字どおり位置するワシは、この2人を尻目に、「これこそが笑劇あるいはギャクと呼びうるものなのだ」と実感する。この実感は、前のめりの虚脱感としてしか感得されえないものだ。「歴史は繰り返す。最初は悲劇、二度目は笑劇として……」。

Long Live Marx!……。

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10日。朝スタバで本を読む。昼近くになったので研究室に向かうが、そこに荷物を置くとすぐに図書館へと移動する。会議がはじまる2時まで残り45分になったところで、昼食をとりに研究室に戻ってみると、いきなりドアをたたく音が聞こえる。そこには「冷静」を装おうとするものの「情熱」が決してそれを許そうとはしない状態の「情熱」そのものが、立っている。そして、臨時会議。「冷静」と「情熱」が直接火花をちらす。なんとか場をとりしきろうとするが、両者とも……。

こうなることは先週末から十分に予想できたことだったため、今日は「朝スタバで本を読む。……」という振る舞いに及んだのだった。ワシにとっての唯一の失策は、昼食をとるために研究室に戻った時間が少し早すぎたということだろう。おかげで結局昼食をとることはかなわなかったし、臨時会議でまたしても「冷静」と「情熱」のあいだにからめとられ、「とりなし役」になってしまった。ただ、今回の臨時会議では、「冷静」が「冷静」でなくなるという稀有な一瞬を目撃する僥倖にめぐり合わせることができた。

2時を2分過ぎたところで臨時会議を抜けて、別の会議に走って滑り込む。1時間半して戻ってみると臨時会議は散会になっている。ただ、その場にはなんとも名状しがたい「気」が残存している。

そして、昼食をとる。16:00なり。

戦い、つづく……。