シナヤカさんとガチガチさん

時間割にケリをつける。結果、居眠りオッサンに泣いてもらうことにする。その後、事務メールをし、おじいちゃんに本を郵送する。

Humeの第2章を読了する。この後、Humeの提唱する批評的立場の問題点、さらに、それと理論とのかかわりについて解説する2つの章がつづく。限定されたテーマに関する妥当な一次資料をできる限りあつめ、それらに基づいてコンテクストを構築し、テクスト読解へとすすんでいく。構築されたコンテクストは、新資料が発見されるまでの暫定的なものであり、単一で包括的なものに仕立て上げてはならない。hard evidencesに足場をおいているということが、テクスト読解への第一条件というわけです。こうして書いてしまうと、当たり前ですかね。ワシにとっては耳が痛い……。Humeの本はここまでにして、ここで紹介されている批評的立場それ自体を批判的に実践する道を探ってみっか、と思う。

『即興文学……』を読了する。先日の印象に変化なし。論述のつなぎ方(ネタの並べ方)が少し危ういように感じたり、議論を〈即興〉というテーマに収斂させるところに跳躍があるような気がするが、逆に言えば、そのようなシナヤカな軽やかさと意外性が本書の魅力になっているのかもしれない。詩の精読から導き出される解釈には、正直釈然としない部分もあったが、なんとなく納得させられてしまうような魔術的即興性が文章それ自体に宿っているので、最後まで読ませる内容になっている。ワシのような凡人が目指すことができるのは、このようなシナヤカさではなく、Humeのようなガチガチさですな。期せずして、まったく異なるスタイルを提示する2つの書物を読んだことになる。これはこれでオモロイ読書経験。

緑の街が頬を染めつつある……。