よいお年を。

モーリス・ルブラン『奇巖城』、アガサ・クリスティーそして誰もいなくなった』、イアン・マキューアン『贖罪』読了。ルブランはあんまり頭に入ってこなかったな。

 

28日。早起きして電車に乗って、おじいちゃんの自宅に向かう。待ち合わせは10時30分で、そこから少し歩いて近所の某店に向かう。おじいちゃんは以前にも増して歩みが慎重になったので、それに歩調をあわせる。ご近所のおばさんがおじいちゃんが歩いて出かけようとしていることにいささか驚き、「お気をつけて」と声をかけてくれる。となりにいるこのオッサンをご近所の方は何者だと思っただろうか……。

 

開店時間よりも15分前についてしまったので、店内で少し待たせていただく。われわれの眼の前をテイクアウトのお弁当をかかえたお客が何組も出入りしていく。その後、時間になり、部屋に通される。しゃぶしゃぶやすき焼きを食べさせる店だが、二人して会席膳的なものにする。なかなかにお値段が張るものだったが、おじいちゃんは一番安いものは選択しない。おまけに、ビールを注文し、それが費えると、熱燗、ひいては、デザートと一緒に別料金のコーヒーまで頼む。実はおじいちゃんは病み上がりなのだが、大盤振る舞いであった。

 

食事とともに、いろいろな話をしたのだが、ここには書けないことが多い。「某氏のbossyな態度は30年前から不変だ」ということでは意見の一致をみた。

 

2時間の制限時間がきたので、店を後にして、またおじいちゃんの自宅まで歩く。今日は、自宅の前まで行って失礼しようとしたところ、「これ息子さんに」と言って、お菓子をくれる。代わりにと言ってはなんだが、こちらからも持参した最中などを手渡す。

 

おじいちゃんは年末年始はひとりなのだろうか。いままで寂しそうな姿を見たことがないのだが、なんとなく気になってしまう。かと言って、なにかしてあげることなど烏滸がましくてできない。第一、ワシなんかがお節介やくなんて、想像するだけで恥ずいわ。ワシにできるのは、早起きして一緒にご飯を食べるくらいのことでしかないし、それできっと良いのだろう。

 

よいお年を……。