おやすみなさい

5月26日。マーティン・マクドナー『ハングマン』@世田谷パブリックシアターマクドナーを見るのは、おそらくこれがはじめてだと思う。ちなみに、不勉強ゆえ、戯曲は読んだことがない。これが初舞台という娘役の女の子も、無気味な男役の大東も演技が秀逸だと思った。宮崎吐夢は演じる役ごとに印象が変わる役者だと思った。ただひとつ不満なことがあったが、それはこの芝居そのものにとっては付随的な事柄なので、口をつぐむことにする。それはそうと、劇場近くのブックオフ小池滋『ゴシック小説をよむ』(岩波書店)があったので、思わず買ってしまった。まあ、仕方がないわね。

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5月25日。オジイチャンと久しぶりに昼食をともにし、とても切ない話をうかがう。ご本人は「明日東京に久しぶりに行って、○○さんに会うんだ」と楽しそうに語るのだが、切ない話が脳裏から離れず、孫にでもなったような気になって、「僕でお役にたてることがあったら、なんでも言ってください」と不意にコトバが口から出てくる。よくよく考えたら、オジイチャンと出会ってもう四半世紀になるのか……。まあ、ワシも年取るわね。

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だいたい午前3時就寝生活が継続しているので、そのうち精神が崩壊して荒野に向けて突然走り出したりするのではないかと危惧している。パゾリーニの映画『テオレマ』のラストシーンでは、たしかブルジョワのお父さんがいきなり駅で服を脱いで全裸になり、おのれの周囲に茫漠とした荒野の風景を幻視することになったのではなかったか……。ワシは駅で全裸になるほど荒野を欲してはおらぬ、と信じたい。まあ、疲れているのはたしかだわね。


あなたはちゃんと寝てください。

good night……。