中庸など存在しない日々

12日。60歳近いテリー爺が、こちらのする常識的な提案に対して、自分が楽することばかりを念頭において反論ばかりしてくるので、笑いそうになる。少なくとも3つのfestschriftにその名を連ね、司会業で名をはせる自称marquessのselfesteemは、大海の水をもってしても薄めることなどできまい。もう笑うしかない。

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9日。昨日と同じ。大盛況のセミナーを拝聴するも、つぎの要件の関係上、最後のディスカッションの部分は失礼して、そそくさと東京駅に向かう。

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8日。某学会@慶応義塾大学。映像作品についての表象分析にかんする発表を拝聴する。

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10月2日。加筆要請があったので、睡眠時間3時間程度で、さらに4000字を書き足す。

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29日。睡眠時間3時間程度で文字を書く日々を送っていたが、16000字ぐらいで謝罪とともに送る。

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25日。某所に行く。葉っぱが表になっているか、裏になっているかが重要らしい。

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21日。午前9時から会議、会議、会議、会議、会議……のはずだったが、すべて欠席する。だって、人間なんだもん。会議は全部欠席しても、18時半からの「お祝いの会」には出席する。皆さん変わらずにお元気そうでなにより。というか、お祝いの会なのだから、元気どころの話ではないわけで、幸福そうでなにより。幸福も度を超しては体に悪いと古代ギリシアの哲学者がおっしゃっていたのを思い出し(嘘)、ワシの不幸話というか、ワシの恐怖話というか、ワシの苦悩話というか、ワシの苦笑話というか、とにかく、ワシの幸福ではない話をご披露してみる。その結果、中庸の理想をはるかに超えて、場の趣をいささか不幸の方へと傾けてしまう。だって、人間なんだもん。薪料理というものをはじめて食す。うまし。

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15日。『Disgraced』@世田谷パブリックシアター。女性キャストに惹かれてチケットをとっておいたのだが、これは良いものを観たと思う。舞台上で演技をくりひろげている劇団仲間を見やるモジャモジャ頭の男が客席にいるのを発見する。劇場をあとにするときに氏と横並びになるも、素知らぬ顔をきめこむ。どうでしょう。

こんな日常……。